PNAライブラリー

Volume 01 2012年10月9日
PNA ライブラリーに戻る
次の記事 >>

第1回 経理スタッフ採用面接でする2つの質問

経理部門のスタッフを採用される際、皆さまは面接時にどのような質問をされていますか?
どの職場においても同じことが言えますが、人材の採用を間違えると、その後の経営や日々の業務遂行に大きな影響を与えてしまいます。 今回のメールマガジンでは、経理スタッフを採用する際、どのような内容の質問をすれば、ミスマッチを防げるのかご紹介したいと思います。

私は今まで百人以上の候補者と面接してきました。緊急の人員補充などの場合、期待と現実のスキルにギャップがあると、
結局自分で業務を回すはめになるといったようにどこかにしわ寄せが来てしまいます。
私どもは、会社の経営状況を示す財務諸表作成と言う責任のある業務をクライアントより請け負っていますので、十分なスキルを持ったスタッフの採用ができるかどうかは非常に重要です。 ここでは、月次決算ができるアカウンタントを採用するケースをモデルに、どのようなどのような質問をすればミスマッチの可能性を低くできるかご紹介したいと思います。

たった二つの質問ですが、候補者のスキルを測るにはとても有効的です!

------------------------------
Excelで使用できるFunction (関数) の種類をあげてみてください!
------------------------------

経理業務を行う上で、Excelのスキルは必須です。アカウンタントレベルの仕事はExcelを駆使しなければ完結できない業務がいくつもあります。 “Excel の関数はつかえますか?” と言った質問をすると、ほとんどの候補者は ”はい!” と回答します。
そこで、もう少し突っ込んで、”それでは使用できる関数の種類をあげてみてください。” と質問すると、Excelが得意な候補者は次から次へと関数の名前をあげてきます。
逆にExcelが苦手だったり、あまり自信がない候補者はそこで回答できず、”表やグラフ作成など行っています” などと回答します。 私の経験から、経理でグラフ作成のスキルは必要ありません。
業務で関数を使用している場合、かならず関数の名前を挙げる事ができます。ここは大きな見極めのポイントです。
目安として、下記のような関数の名前が出てきた場合には業務をほぼ問題なくこなせるものと思います。

- if
- sumif
- count (countif)
- concatenate
- round (roundup/rounddown)
- vlookup
- hlookup
- subtotal

マクロのスキルはあるに越したことはないのですが、社内のレポート作成などで必要となる場合を除いては必須ではないでしょう。
Excelのスキルは日々の業務はもちろん、業務効率を上げるためにはとても重要です。これらの関数を知っていることで、既存の資料を改良したり、マニュアル作業をなくしたりと言った業務効率化を推進することが可能になります。

------------------------------
今まで決算の際にどのようなJournal Entryを入れていましたか?
------------------------------

アカウンタントですので、当然毎月もしくは4半期ごとに調整の仕訳を自分の判断で入れてもらわなくてはいけません。
通常ですと、

- Deprecation (減価償却)
- Prepaid Expense (前払金の費用化)
- Accrued Expense (未払費用)
- Deferred Revenue (前受金)
- Deferred Rent (繰延家賃)
- Adjustment (修正)

などがあります。これらの入力をSub-Ledgerなどを見ながら入力してもらわなくてはいけません。 候補者が以前にとても小さなオフィスで勤務していた場合、このような調整仕訳は担当の会計士が入力しているケースが少なくありません。 そうなると、実際に業務をお願いしてみたところ、自分では何をして良いのかが分からず結局最初からトレーニングをしなくてはいけないと言う事態に陥ります。
また、このような調整仕訳を入力する際には、必ずGeneral Ledger と Sub-Ledgerなどを確認しながらの作業になりますので、General Ledgerの見方を知っている確率があがります。
決算を行う上で、調整仕訳の入力は避けて通れませんので、必ずこのスキルがあるかどうか確認が必要でしょう。

この二つの質問をするだけで、どれぐらいのスキルがあるのかおおまかな検討をつけることができます。
もちろん、Accounts Payable/Accounts Receivableなど基本的なスキルがあることを前提としていますので、候補者の履歴を見ながら質問内容を変えていく必要があります。 更にスキルの確認をしたい場合には、Internetで見つかる簡単なBookkeepingのテストを受けてもらうと良いでしょう。 オンラインで色々なテストサンプルが入手できます。難易度もさまざまですので、採用ポジションに適した難易度のテストを利用してみてください。
簡単なサンプルは下記のサイトでご確認いただけます。
downloadサンプルクイズ

PNA ライブラリーに戻る
次の記事 >>